「日曜曼荼羅」2024.12.29By SeimeiWada

「日曜曼荼羅」2024.12.29By SeimeiWada

 

ウクライナとロシアの戦闘は3年目に入る。ウクライナ東西部のナショナリストがロシアに立ち向かった戦争ではある。その実質的主役は、ウクライナ、ロシア、ドイツ、アメリカではある。時のアメリカ大統領は老いぼれの認知症を疑われるバイデンである。アメリカ最後の知性と良識をもつとされるオバマではない。彼の母方は白人である。父親よりも優勢は母方にありとする視点に組みするならば、WASP(アングロサクソンプロテスタント).を体現するのは黒人ではあるがWASP(アングロサクソンプロテスタント)に値する最後のアメリカらしさと言えなくも無い。

 

アメリカがウクライナに介入するメリットはどこにあるのか、それは、彼らの心臓をわしづかみにして聞くしかわからないことではある。一番無難で、確からしい仮定をたてるとするならば、それはワンセンテンスに集約されるのではないか。

 

アメリカを必要としないヨーロッパ」への過度の恐れに尽きるであろう。

日本と同じくドイツはアメリカの保護国ではあるが、ヨーロッパを牛耳ることにほぼ完成したドイツのヒュブリス(傲慢)に、嫉妬以上のヨーロッパに対するアメリカの危機意識そのものかもしれない。

 

原油、ガスの生産量が世界一になったアメリカは、ガツガツと中東に攻め入った頃の焦りは皆無のはずだ。ノルドストリームが開通したあたりからのロシアとの関係も気になりだした。

 

極め付きはあの糞ガキ、プーチンの宣言「ロシアはアメリカがルールを課すような一極体制の世界は受け入れられない」(2007)。この機微に触れる言動は、アメリカの政権が変わろうが受け継がれたはずだ。この意味するところが、くそガキ、プーチンと言う言葉の意味である。それも、これまでの世界は終わったと本を書いたフクヤマの心地よいアメリカの安穏のそよ風にあたっていた頃の夢をさますものでもあった。こうしてアメリカのヒュブリス(傲慢)はヨーロッパ特にドイツとロシアのヒュブリスにそそがれていく。

 

クリミアへの侵攻にもシリアへの介入にもアメリカは動かなかった。オバマの個性といった一字では片付け得ない。それが、どう考えてもメリットのないウクライナナショナリストに肩入れは、どうも腑に落ちない。

アメリカが肩入れしたマンダン革命では、ジョージアは最終的に国土の20%を失った。アメリカの介入は領土の縮小に連なるジンクスの神を信じるならば、40%の縮小もありえるかもしれない。あえて利する国のことを考えるならば、戦争によって衰退する経済による良質な労働人口のドイツやロシアへの移動もありえるかもしれない。この戦争はもう5年は続くとは思えるが、AIに判定を下させようとするも、こちら側から提供するネタが少なすぎて正しい判断は望めそうにも無い。

 

ただ最後に言い得る事は、アメリカのよき道徳観を体現してきたプロテスタンティックな精神はうしなわれ、全く別顔をもった国が新たに出現しだしたといえるかもしれない、覇権国家終焉の過渡期の空模様のような気がする。