アーカイブ2013.9.15(NO.195)
シリア、戦争への
厭世気分 ....
By SeimeiWada2024.10.16
筆をとっているこの日、安倍首相の心に響く英語でのプレゼンテーションが功を奏して、オリンピック開催の栄誉を手にした。これは、経済効果云々よりも、原発処理への弾みと国民の高揚感に連なる。それで消費税も決まりとばかり、にんまりとしている財務省の笑顔とは別物ではあるが。兎に角上昇気流に乗りそうなきっかけの一助にオリンピックはなりそうな予感がする。
さて、シリア問題はオバマの攻撃があるのか、断念するのかのギリギリの段階に秒読みに入ってきた。
かつての宗主国でもあったフランスがこの戦闘にいち早く名乗りをあげたのは頷ける。それにしても最大の驚きはキャメロン政権の意思が議会によって覆されたことはイギリスでは異例のことといってもいい。労働党のミリバンドは御株を上げたなどといって喜んでいる単純なものではなさそうだ。イラク戦争では、アメリカのプードルと陰口を叩かれながらも、一心にブッシュに寄り添ったブレアの影は今はない。アメリカを背後から操ることによって、それなりの国家の繁栄を築いてきたイギリスの同盟関係が無傷ということはありえまい。しかし、イギリスはシリア攻撃には参加しない決断をした。
オバマは一年前に、シリア問題に関しては化学兵器が使用されることがデッドラインだと宣言してきた。そして、ダマスカス郊外で化学兵器が使用されて何千人もの市民が犠牲になった。だれが使用したかの確証は国連の調査結果を待つこととなった。オバマはその調査結果を待たずにトマホークというミサイル攻撃に打って出る構えを崩してはいない。
ここで非常に意味深な言動に触れておく必要がある。オバマを政治の世界の入り口に導きいれたと見られている前ナショナルセキュリティアドバイザーであったブレジンスキー氏は、こんなことを述べている。オバマ氏のシリアに対する政策が整合性を持つとしたら、それは、良く管理された秘密によってである。(It is a well-kept secret゛)。ブレジンスキー氏はこの言葉の背後に何を主張しようとしているのか、一見意味不明である。
20年間にわたりAP通信の特派員を勤め、BBCニュースに記事を送り続けてきたデール・ガブラク女史(Dale Gavlak)が反乱軍に入り込み膨大なインタビューのなかから、今回の化学兵器使用の真相に迫ろうとしている。これがネット上にすでに出回っている。
アメリカ政府が言うようにアサド側は大量の化学兵器を備蓄しているからその使用はありえる。この論理も可能性としては否定できない。
ガブラク女史がインタビューから得たものはアメリカ政府の見解とは違うものであった。サウジアラビアのバンダル・ビン・スルタン王子経由で反乱軍に渡った化学兵器が操作の未熟練により暴発したというものであった。
アサドを倒すことに一番に熱心なのはサウジアラビアである。反乱軍に資金援助をしていることが言われている。トルコの立場は非常に不安定なところにある。トルコ国内で独立を目指すクルド人はシリアでお互いに殺戮を繰り返している。その反乱軍をトルコが支持していることにより今後トルコの安定は不定かなものとなっていきそうだ。
強行にシリア攻撃に反対している国にスウェーデンが挙げられる。わが国にとって中東の混乱は経済に壊滅的な影響をあたえるものと見られている。石油価格の高騰はデフレからの脱却軌道をふっ飛ばしかねない。
オバマの戦争のための戦争はグレートパワーポリシーの観点から不適切の謗りを免れない。
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