アーカイブ2012.4.22(NO.162)

アーカイブ2012.4.22(NO.162)
解決の糸口に
なるかイラン問題
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By SeimeiWada2024.11.13



  4月に入って、なんといっても一番ビックな動きは、イランと主要国六カ国による会話が実現したことである。昨年の一月以来まともな会話がなされずに、イスラエル空爆だけが一人歩きしてきた。


 
  イランとの第一回目の会合は、この14日トルコのイスタンブールで行われた。イランの当事国は安全保障理事国五カ国プラス、ドイツである。今回の会議がとても大切なものであるのは以下の理由によるものであろう。


 
  イランの核問題の担当者であるジャリリー氏は、なんらかの譲歩案を携えてこの会議にのぞんだであろうと見られていた。今回の会議では具体的なところまで煮詰めるというものではなく、主要目的は、数週間後に第二回目の会議が約束されたことにあった。


 
  今回の会議で、これまでのイランの態度との大きな違いは、国際社会の制裁が解除されない限り会話には応じないというイランの姿勢の変化にあった。


 
  イランは終始、建設的で前向きな姿勢であったと代表団は口々に発言している。


 
  特に感じられることは、イラン問題に関してアメリカのプレゼンスの低下が否めないということである。これまでのアメリカの主張は、濃縮ウラン20%の生産停止、これまで貯めてきた濃縮ウランの輸出、濃縮ウランの生産基地であるフォードオの閉鎖がイスタンブール会談の条件であった。これが六カ国の合意事項ではないと一蹴されたことである。


 
  イランに対して温かい視線を送り続けているロシアは別格としても、ほかのヨーロッパ勢が主導権を握りつつある。イランは核兵器への野望を完全と捨て去ったことの本物を見せよ、とクリントン氏が、いくら叫ぼうとも、中東の問題解決の流れは、ヨーロッパ主導になりつつある。


 
  ある一定の条件でイランが許され国際社会に復帰する事になるや、イランの中東における影響力は甚大なものとなる。先頃の鳩山氏のイラン電撃訪問も、この流れの上にたっての動きであったと理解可能である。


 
  このところ、わが国の存在感が薄れつつある。後進発展途上国のグループであるBRICSに属するインドとブラジルに安保理常任理事国入りを押す、戦後体制の改革案が口の端に上ってきた。わが国も一度は立候補の動きをしてはみたものの、お隣の中国や本命のアメリカの支持を得られずに不発に終わった経験がある。


 
  北朝鮮のミサイル発射で露呈したわが国の情報収集の甘さは、顰蹙ものであった。あらゆる面でなぜに、シャキッとしなくなったのか。百の議論よりも、日本国憲法前文を読み替えてみると、事の本質が良く見えてくる。「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛するアメリカ国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」。(諸国民をアメリカに替えて)。


 
  憲法は、我々本来の日本人からは遠のいたものに、我々を作り変えようとしているのだろうか。アメリカは心底から日本が怖くて怖くてしょうがないはずだ。だから徹底的に、わが国の弱体化に取り組まざるを得ない。その論点から考えるとき小沢裁判の行く末ははっきりしている。民主党が政権をとって小沢氏は大挙して中国を訪問した。アメリカは、日中国交をいち早く成し遂げた田中角栄二重写しになったはずだ。


 
  日本が中国と手を結んだら、それはアメリカにとって悪夢の始まりだ。その意味から、小沢氏の26日の判決は有罪となる。アメリカの怖さは半端ではない。20年前、リビアカダフィー大佐がなした航空機テロに対する落とし前は、きっちりとなされた。それも、民間の手による殺害という形態をとってである。

 

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